「アザミへ
この手紙を届く頃、君はどこにいるんだろう。
ジャクソン爺さんの酒屋で一杯やってるんだろうか。
それとも空母で次の出撃を待っているんだろうか。
これは僕がクソ真面目に君に書く最初で最後のラブレターだ。
君が必死なのは知ってたけど、お互い軍に入っちまったから、
多分恋愛とか、そういうのはもう無理だと思う。
だからせめて家のポストに直接届けるこの手紙は受け取って欲しい。
僕の最初で最後のラブレターだ。
もちろん二十年以上近くにいた以上、僕は君の性格は知ってるから、
見られることなくやぶったりするんじゃねーかとは思うけどね。
もしくは読んだあと破って捨てて、後で文句つけてやろうと、
君の事だから思うんだろう。
でも残念だけど、僕は多分もう帰らないよ。
今回の出撃が僕にとって最後の任務になると思う。
飛んできた隕石を爆破するスイッチを押すようなものだよ。
あのアホ大佐も変な命令よこすもんだね。
君が引き継いだときは一発ぶん殴ってやってくれよ。
僕のかわりにね。
そういやブルー・パラメトリックスのジョンが自殺しちゃったね。
僕たちが好きなバンドだったのに残念だよ。
まあ、あれだけロックな人も珍しかったね。
デビューしたときは確か僕らと同い年じゃなかったっけ。
いまでも27とかそこらだろ? 多分泣くだろうな。
CD貸すって言ってたのに、ずっと忘れててごめんね。
一応この手紙と一緒に、コピーしたやつ封筒に入れておいたから、
戻ったら適当に落として聴いてみてくれ。
なんだかんだいってあたりさわりないことしかかけないなあ。
やっぱり付き合い長いからかな。
今更話すことが特にあるわけでもないっつーか。
なにをいっても今更感がでちゃってどうしようもないよ。マジで。
好きだよアザミ。戻って来れたら、きっと。
これは、本当に戻って来れたら言うよ。君に会えたらね。
何言うかは想像つくと思うけど、それでも会っても良いと思ったら、
そのときはキャピア・ブリッジの真ん中で僕と会ってくれ。
どこかはわかるだろ?
ハイスクールんときによく待ち合わせしてたところさ。
それじゃあ元気で。さようなら。
クー・バーンスタイン」